メダカの病気の治療について調べていると頻繁に出てくる「塩浴」って一体何??塩浴でメダカの病気が治るの??そんな塩浴に関する疑問について解説していきます。
メダカに塩浴の効果はあるのか?塩浴のメリット・デメリット
そもそも塩浴とは??
鑑賞魚、アクアリウムの世界には淡水魚の病気の予防や病気の治療として行われる塩浴・塩水浴というものがあります。
飼育水に塩を入れて飼育水の塩分濃度をあげることを塩浴と言い、通常は0.3%~0.8%の塩分濃度で行われます。
● 0.5%であれば1Lあたり5gの塩
塩浴による効果とは
● 病原菌を死滅させる・弱体化させる
病気の初期段階であればある程度の効果が期待できますが、すでに病気になっていることがしっかり分かるような状態であれば観賞魚用の治療薬を使ってください。治療薬を使用する場合でも併用して塩を入れた方が治りやすいとも言われています。
効果を引き出す最大のポイントは浸透圧にあり!!
魚は浸透圧を調整しながら生活しています。塩浴を理解するために浸透圧について理解しておく必要があります。
浸透圧とは濃度の低い方から高い方に水を引っ張る力のことを言います。
メダカの塩分濃度と浸透圧の関係性
一般的に生き物の塩分濃度は0.9%ほどと言われ、メダカなどの淡水魚の体液の塩分濃度も約0.9%です。そうしたメダカなどが棲む川や池、湖などの淡水域の塩分濃度は0.05%以下とほぼ塩分は含まれていません。つまり淡水魚においては自分の周りよりも体液の塩分濃度の方が高く浸透圧の影響により水分が常に細胞から体内に侵入してきます。そこで、侵入してきた水分を尿として排出することで体内の塩分濃度を調整しながら生きています。この作業は通常健康なメダカであれば普通に自然と行われていることですが病気になっていたり調子を崩していると体力を消耗してしまう可能性があります。つまり調子を崩し弱っている時の浸透圧調整はメダカにとって負担になっているということになります。また浸透圧調整が上手くできなくなっていることもあります。
塩浴の塩分濃度について
塩浴の塩分濃度は0.3%~0.8%で行われるとお伝えしましたが、最大で0.8%という理由は淡水魚の体内の塩分濃度を超えてしまわないためです。超えてしまうと逆の浸透圧が働き最悪の場合脱水症状になる可能性があります。そういった理由で塩分濃度0.5%前後での塩浴が推奨されています。
また、病気の原因となる細菌や原生動物の体内塩分濃度は0.35%程度と考えられており、0.5%程度で塩浴をすることで細菌を死滅、弱体化させることができます。
塩を入れることでどうなるの?
● 飼育水の塩分濃度がメダカの体内の塩分濃度に近づくため、体内に侵入する水分が少なくなる
尿によって水分を排泄するといった浸透圧調整が緩和されることで、病気で弱ったメダカの体力の消耗をおさえ体力回復にもつながると考えられています。
● 塩分濃度が高くなると亜硝酸の毒性が下がる
亜硝酸があるとメダカが酸欠になりやすくなりますが、塩・塩化物イオンが水中に含まれることで亜硝酸の毒性が下がり酸欠防止にも役立ちます。ただし、そもそも亜硝酸が出るような環境だから調子を崩したり病気になったりするので、亜硝酸が極力出ないような環境作りや水換えなどが大切です。
継続的な塩浴は要注意!!
● 水がアルカリに傾くためアンモニア毒性が上がる
● 長期の塩浴は海水由来の病気にかかることも
● 水の蒸発等で塩分濃度が上下し飼育環境が不安定になりやすい
メダカの塩浴まとめ
塩浴はメダカが調子を崩した時や病気になった時、調子を崩しやすい時期の病気予防として、さらには病気の治療薬と併用するなどして塩を上手く使ってメダカの負担を和らげてあげる際に行ってあげてください。病気などで体力が消耗したメダカは浸透圧調整が上手くできないこともあります。そんな時の手助けになるのが塩浴です!
塩浴に使用する塩は市販の食塩でも可能ですが塩以外の化学調味料等が入っていないことを確認してください。
心配の方は専用の塩も販売されているのでそちらをご使用ください。
尚、今回の記事の情報は媛めだか様のYouTube動画を基にまとめさせて頂いております。更に細かなことまで掘り下げて動画を制作されていますので興味のある方は是非ご覧ください!!
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